多田悦子にとって人生観を変えた試合は、気温40度の世界戦,控室はトイレでありながら、彼女は「王者であっても挑戦者という感覚」

ミニマム級の女子プロボクシング選手で、世界の主要3団体を制した多田悦子(42)が、引退を表明した後、デイリースポーツの取材に応じ、25年間の現役生活を振り返りました。女子ボクシング界の厳しさを痛感した取材記者が、その過酷さを紹介します。

多田は自身のキャリアで最も印象的だった防衛戦で、利き手の左手人さし指を骨折しながら戦い、引き分けたトリニダード・トバゴでの試合を挙げています。試合の際には現地在住の邦人や大使館員によるバックアップやボディーガードが付いていたと述べ、治安や敵地でのプレッシャーについても語りました。この試合を通じて、自身が持つ「王者であっても挑戦者という感覚」がより深まったと述べています。

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多田は20年の年間表彰で最優秀選手賞を受賞しましたが、米国と日本のボクシング界の違いを感じていました。引退直前に米国からの統一戦のオファーが届きましたが、40歳を超えて王座を失った多田にはそのチャンスを受ける時間がありませんでした。 多田は「やりきった」と述べていますが、同時に日本女子ボクシング界の普及と地位向上に尽力してきたため、本場のリングに立ってスポットライトを浴びる姿を見たかったとも述べています。